INTERVIEW
2020.08.27UP
コットンからスタートし、桜やウミガメまで。「ちょっと」を積み重ねてきたORGABITSが今考えていること

「ORGABITS(オーガビッツ)」は、みんなで“ちょっと(bits)ずつ”地球環境や生産者に貢献しようという想いから2005年に始まったオーガニックコットン普及プロジェクト。15周年の今年、「『ちょっと』が大事だということをもっと広めていきたい」という思いから、「BITS MAGAZINE~ちょっといいことしてるヒト。~」を始めることにしました。ORGABITSチームが「ちょっといいこと」を実践し続けている方々へのインタビュー記事を掲載していきます。
1本目の記事はご挨拶も兼ねて、ORGABITSの小出大二朗へのインタビュー。「ちょっと」の積み重ねでこれまでやってきたORGABITSの取り組みや、大事にしたい想いをお話しました。聞き手はORGABITSアンバサダーの鎌田安里紗さんです。

「100%を3人」より、「10%を30人、300人」

鎌田安里紗さん(ORGABITSアンバサダー/以下、鎌田):ORGABITS(以降、オーガビッツ)は、オーガニックコットンを通してみんなでちょっとずつ地球環境に貢献しようというプロジェクトですよね。コットンから始まったプロジェクトですが、今はウミガメを救ったり、桜を植えたり、動物を保護したりと、さまざまな取り組みも支援なさっています。

今年で15周年とのことですが、2005年の時点では今のようにオーガニックコットンは知られてはいませんでしたよね。プロジェクトを始めるのは大変だったのではないでしょうか。

小出大二朗(ORGABITS/以下、小出):そうですね。今では食品や化粧品でもオーガニック商品をよく目にするようになりましたが、当時は「オーガニック」という言葉もまだ知られていませんでした。だから「ちょっとずつ」を意識して始めたんです。

オーガビッツは繊維商社の豊島株式会社の企業内プロジェクトで、営業企画室の溝口量久が立ち上げたのですが、溝口はインドのコットンの生産地に行って農家の人々と話す中で、「多くの人にコットンのことを知ってもらわなければいけない」という思いを持ったんですね。

というのは、コットンの栽培では大量の除草剤や殺虫剤、化学肥料を使い、収穫の時には落葉剤を使うのが一般的なんです。しかし、こういった栽培方法は土壌の汚染や農場で働く人たちの健康被害、薬品を購入するための農家さんの経済的な負担など、深刻な問題を引き起こしています。

一方、オーガニックコットンは環境や生物に影響をおよぼす農薬や化学物質を使用しない農地で有機栽培されます。オーガニックコットンを広めて、生産に携わる人たちの暮らしや、コットンを育てる大地などの環境を守りたいと溝口は考えたんです。

ただ、オーガニックコットンは生産に手間がかかりますから、割高です。しかも、今の時点でもオーガニックコットンは世界中のコットンの生産量の0.7%にすぎないと言われています。希少なオーガニックコットンの糸を100%使って服を作ると、たくさん作ることはできないし、とても高くなって多くの人に届けられません。そこで、オーガニックコットン10%の服を作って多くの人に届ける方法を考えました。

鎌田:私自身も、「ちょっとずつ」の大切さを実感しています。環境や社会に配慮して暮らしたいと思っても、あらゆる方面に100%完璧に配慮できる人なんていないですよね。「ちょっとで良い」と考えるなら、取り組める人は増えます。100%取り組む人が3人いるより、10%取り組む人が30人、300人と増えていく方が結果的にはインパクトがあるんですよね。
そして、「ちょっと」を実践することで「もうちょっと」やってみよう、と着実に進んでいくのもまた事実だと感じます。

糸や布を買ってくれるブランドさんも、あまりに高かったら作った洋服が高くなりすぎて売れなくなってしまうから手を出せません。でも一着の服に使われるオーガニックコットンの使用率を下げれば、コストも抑えられて、使ってくれるブランドさんは増えそうです。まずは「ちょっとずつ」使ってもらうことで、多くの人に知ってもらい、広げていくという、逆転の発想ですよね。

小出:そうなんです。この「10%でいいから」の発想でたくさんの人が使ってくれて、世界のオーガニックコットンの生産割合が高まっていけば、結果的に目指す世界に近づきます。それでオーガニックコットンを「ちょっと(bits)」使う、ORGABITS(オーガビッツ)が生まれました。そして、オーガニックコットン混紡の糸を少しずつでも良いので使いましょうと、少しずつブランドさんに説明していったんです。

鎌田:その結果、15年で130以上のアパレルブランドさんが約800万点ものオーガニックコットンを使った商品を扱ったと聞いています。ちょっとの積み重ねが大きな成果に繋がっていますね。

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