みなさんこんにちは。
新コラムシリーズ、Bits&Tipsが始まります。ここでは、主に「着ること」を切り口に、読者の方がちょっとだけサステナブルな日常を送るためのTipsを紹介していきます。

記念すべき第一回のテーマは、最近よく耳にする「オーガニックコットン」。
なんとなく「環境負荷が低そう」「肌に優しそう」というイメージを持っている方も多いかと思いますが、実際にはどんな特徴があるのでしょうか？

早速ですが、コットン畑を思い浮かべてみましょう！（そうです、コットンは植物。皆さんが着ているコットンのTシャツは、元々畑で育てられているのです。）オーガニックとは、平たく言えば化学農薬を使わずに育てられた作物のこと。オーガニックコットンとは、化学農薬を使わないなど、それぞれの国の有機農法のルールに沿って育てられたコットンのことをいいます。オーガニックコットンの生産量は上からインド、中国、キルギスタン、トルコとなっていますが、全て合わせても全世界のコットン全体の生産量の１％にも満たない貴重な作物です。

それではオーガニックコットンには、どのようなメリットがあるのでしょうか？

化学農薬を使わないことで畑の土壌が豊かになり、土壌に含まれる有機物が水を守ることができます。また、コットン農家の方々の健康と生活を守ることもできます。実際コットン農家の化学農薬による健康被害や、農薬購入にかかる経済的負担は大きな問題となっています。

オーガニックコットンを選ぶということは、生産者を守り、生産地の環境を守ることを選ぶということなのです。

ちなみによくある誤解で、「オーガニックコットンは肌に優しい」「赤ちゃんの肌にも安心なオーガニックコットン」というものがありますが、最終的な製品としてのオーガニックと非オーガニックコットンには顕微鏡で見ても差はほとんどわかりません。肌に優しいのはコットンだからであって、オーガニックだからではありません。なんだかふわふわして肌触りがいい！というのは、繊維を糸や布にする工程や技術の差であって、こちらもオーガニックだからということではないのです。

あれ、自分の肌に特にメリットはない、でも遠く離れた見ず知らずの生産者のために・・・というと、なんだか難しい、またはちょっと偽善的！？に感じるかもしれません。

ここでおすすめしたいTipsが、服を選ぶ時、少しその生産背景を想像してみることです。Tシャツは工場で機械のボタンを押せば出てくるものではありません。どこかの畑で育てられ、収穫され、糸になり、布になり、手作業で裁断や縫製をされて運搬され、店頭に並びます。このプロセスに関わっている人や、土地に思いを馳せることは、私たちが毎日毎日している「着る」という行為をとても魅力的にしてくれます。服は元来、雨風や暑さ寒さなど周りの環境から体を保護するものではありますが、今ではそうした物理的な側面に加えて、気分を左右する精神的な役割も大きいですよね。服にまつわるストーリーや蘊蓄は、服の精神的な価値をぐんと上げてくれます。

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「サステナブルファッション（持続可能なファッション）」という言葉もファッション誌や店頭で見かけることが多くなりました。実際ここ数年で、たくさんのブランドや会社がサステナブルな服の選択肢を提供するようになりました。

しかし、本当のサステナブルファッションとは、そう謳われている商品を買うことだけではありません。服が辿ってきた背景に想いを馳せたり（洗濯タグについている”MADE IN 〜＂表記を確認するだけでも面白いかもしれません！）、今気に入っている服を長く着たり、洗濯や手入れの方法をアップデートしたり、タンスの肥やしになっている服を誰かに譲ったり。「買って、着て、洗濯して、飽きたら捨てる」以外のもっと柔軟な「服と自分の関係性」を築いていくことがサステナブルファッションです。

そしてもちろん、新しいアイテムを買う時にはオーガニックコットンや生産背景に配慮のあるものを買ったほうがベター。見渡せばおなじみのブランドやセレクトショップが続々とオーガニックコットン製の商品を販売しています。お買い物もおしゃれも楽しみつつ、遠く離れたコットン畑を想像しながら服が辿ってきたストーリーまでもまとう、そんな毎日はいかがでしょうか？