私たちにとって最も身近な素材のひとつ、コットン。 使い勝手がよく、心地よい肌触りのコットンは、私たちの暮らしに欠かせないものです。
コットンの原材料である綿花は、インド・中国・アメリカなど広大な土地を持つ国を中心に、世界各地で生産されています。綿花を効率よく栽培するために、綿畑には大量の除草剤や殺虫剤、化学肥料が使用され、収穫の際には落葉剤を散布して機械で素早く刈り取る、という方法が一般的です。
しかし、そうした栽培方法は、土壌の汚染や農場で働く人びとの健康被害、薬品を購入するための農家の負担など、深刻な問題を引き起こしているのです。 綿花栽培に使用される農地は、全体の3%程度ですが、世界中で使用されている農薬の5.7%*が綿花栽培に使用されていると言われています。
*出典:A review of pesticide use in global cotton production Revised June 2018(PESTICIDE ACTION NETWORK UK)
オーガニックコットンとは、各国の有機農法の基準により、環境や生物に影響をおよぼす農薬や化学物質をおおよそ3年以上使用しない農地で、有機栽培されたコットンのことです。有機栽培は、自然との格闘です。ハーブを植えて虫がつくのを防いだり、手作業で雑草や害虫を処理したりと、辛抱づよく、手間ひまをかけ、自然の循環に沿った栽培をしていくのです。
そうして育てられたオーガニックコットンの綿花と、農薬を使用して栽培された綿花には、実は違いはありません。綿花自体には、農薬はほとんど残らないからです。しかし、コットンの生産に携わる人びとの暮らしや、綿花を育てる大地などの環境を守ることになるのです。オーガニックコットンを選択するのは、持続可能な社会への第1歩だと思いませんか?