2021.05.27
その他
種とつながるシードボールを作りましょう!

社会起業家ジョン・ムーアさんの“笑顔になれる暮らしのヒント”をご紹介します。
土だんごの中に種を入れ、そのまま土の上に置くと芽が出る「シードボール」のお話です。

目次
1. この記事の監修:ジョン・ムーアさん
2. 小さなシードボールには、種の魅力が詰まってる!
2-1.シードボールのポイント
2-2.ジョンさんからの一言

1.この記事の監修:ジョン・ムーアさん

社会起業家、ORGABITSアンバサダー。英国公認教師、オーガニックフード・ガーデニング教師。英国シェフィールド大学卒業後、教師を経て、電通に入社。その後、パタゴニア日本支社長などを歴任。現在は一般社団法人シーズ オブ ライフ代表理事として活動中。

2. 小さなシードボールには、種の魅力が詰まってる!

暖かな日差し、フレッシュな春の雨と空気。種たちが、待ち焦がれていた季節です。今回は、簡単なガーデニングアイデアをお教えします。それは「シードボール」。子供の頃のように土だんごを作り、親指を使って、土だんごの真ん中に穴を作ります。この穴に種を入れ、穴をふさげば完成です。ね、簡単でしょう?

ポイントは、中に入れる「種」。F1種(※1)ではなく、固定種(※2)の種を使いましょう。そして1種類だけを入れるのではなく、一緒にまくと良く育つ、植物の仲間「コンパニオンプランツ」を組み合わせて、一緒に入れることです。

(※1)F1種…一世代目にだけ優れた特性が育つよう、人工的に改良された品種。
(※2)固定種…環境に順応しながら、次世代の種へと情報を引き継いでいくことができる。

昔から、ネイティブアメリカンたちが使っていたコンパニオンプランツに、スリー・シスターズ(三姉妹)と呼ばれているものがあります。カボチャ、豆、トウモロコシです。スリー・シスターズは、土壌のpHや微生物、雨と太陽のバランスなど、ともに同じ条件を好みます。

さらに、それぞれ成長する過程で助け合います。カボチャの葉が土壌を覆うことで乾燥を防ぎ、トウモロコシの成長を助け、豆はトウモロコシの茎にツルを巻きながら成長していくのです。

彼女たちは、互いに邪魔にならないスケジュールで成長し合い、栄養も分け合います。コンパニオンとは、単に仲が良いという意味ではなく、互いに支え合う「共生関係」なのです。他には、家庭菜園で楽しめるものであれば、「バジル・トマト・パセリ」や、「ミント・キャベツ」などの組み合わせがあります。

シードボールができたら、外にあるプランターや庭の土の上に、そのまま置きます。あなたの仕事はこれで終わり。あとは、何が起こるかを見守っていくだけです。

人間の手によって操作されたF1種の種と違い、代々命をつないできた固定種の種は、DNAの中に知恵が受け継がれています。だから、いつ芽を出すべきか、自分自身でベストな答えを出すことができるのです。私たちはどうでしょう? スマホがなくても、自分で判断できますか? シードボールから芽が出るとき、あなたの中にも生きるヒントが芽生えることでしょう。

2-1. シードボールのポイント

(1)できるだけ自然で、健康な土を用意する。

(2)土が乾いている場合は、まとめやすいように、水で湿らせて調整する。

(3)シードボールを土に埋めると、種が出てこられないので、土の上に置く。

2-2.ジョンさんからの一言

取材・文/坂田奈菜子
(からだにいいこと2018年6月号より)

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