2021.04.15
その他
多様なつながりから生まれる生命

社会起業家ジョン・ムーアさんの“笑顔になれる暮らしのヒント”をご紹介します。
人間の都合で操作される生命と、自然と共にある生態系について、考えてみませんか。

目次
1. この記事の監修:ジョン・ムーアさん
2. 自然が営む多様な生命と生態系のつながり
2-1.ジョンさんからの一言

1.この記事の監修:ジョン・ムーアさん

社会起業家、ORGABITSアンバサダー。英国公認教師、オーガニックフード・ガーデニング教師。英国シェフィールド大学卒業後、教師を経て、電通に入社。その後、パタゴニア日本支社長などを歴任。現在は一般社団法人シーズ オブ ライフ代表理事として活動中。

2. 自然が営む多様な生命と生態系のつながり

2020年10月1日より、ゲノム編集技術応用食品の流通が解禁となりました。ゲノム編集とは、簡単に言うと酵素を使い、狙ったDNA の一部を切断し、遺伝情報を改変する技術のこと。

下の図のように大きく3つのタイプに分かれています。切断して変異を誘発させる「タイプ1」とDNA の断片を組み込む「タイプ2」は安全性の審査はなく、表示の義務もありません。「タイプ3」と遺伝子組み換え食品は、別の生物の遺伝子を組み込むことで変異させる技術で、環境や生態系への影響や食品としての安全性を確認するため審査が義務付けられています。

出典:「ゲノム編集技術とその応用食品等の取扱い(」厚生労働省)「、新たな育種技術(」2018年12月、農研機構)を参考に編集部作成。タイプ1、2、3は、正式にはSDN-1、SDN-2、SDN-3と呼ばれる。

この安全性の審査や表示義務、流通のあり方には大きな問題があると思いますが、そもそも今の品種改良自体が、放射線や薬剤を使い突然変異を起こさせることによって成り立っていることにも目を向けなければなりません。

本当の生命は多様なつながりの中に存在しています。植物の葉は、人間の技術を超えた仕組みで、空気中の酸素と二酸化炭素を調整してくれます。そして、植物の根は成長して土壌を浄化し、花はミツバチに餌を与え、種子は人間の餌となり、すべての生命の未来を育んでいます。植物は動物とは異なる、独自のDNAのストーリーを持っています。植物は微生物や昆虫、動物、気候、光、星の動きとともに生きています。

しかし、産業的な農業が進み、品種改良により不自然な種が広がった今、生物の多様性は約94%が失われました。そして、野菜の栄養価は大きく低下しました。形は同じように見えても、研究室や試験農場で作られた食べ物からは、生命のつながりは途絶え、生命力も失われてしまうのです。

自然が営む多様な生命と生態系のつながりは、人間が決して真似することはできない優れた仕組みです。人間の横柄な技術ではなく、自然と共にある生命を、今こそ守り育まなければならないのです。

2-1.ジョンさんからの一言

取材・文/坂田奈菜子
(からだにいいこと2020年1月号より)

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