2021.02.18
その他
徳之島レポート~その2~

社会起業家ジョン・ムーアさんの“笑顔になれる暮らしのヒント”をご紹介します。
徳之島でスタートした、 未来へ種を残し、 多様性を育む活動。 地元の種を探す中で、素晴らしい知恵と文化に出会いました。

目次
1. この記事の監修:ジョン・ムーアさん
2. 種を守ることは、知恵や文化を引き継ぐこと
2-1.ジョンさんからの一言

1.この記事の監修:ジョン・ムーアさん

社会起業家、オーガビッツアンバサダー。英国公認教師、オーガニックフード・ガーデニング教師。英国シェフィールド大学卒業後、教師を経て、電通に入社。その後、パタゴニア日本支社長などを歴任。現在は一般社団法人シーズ オブ ライフ代表理事として活動中。

2. 種を守ることは、知恵や文化を引き継ぐこと

美しい海と豊かな自然に恵まれた奄美群島の一つ「徳之島」。この島で、種を守り、多様性を育みながら、持続可能なフードシステムを作るプロジェクトが進んでいます。島では単一作物による大規模農業化が進む中、地元で育てられてきた多種多様な農作物が、姿を消そうとしていました。そこで私は、島に種の図書館「シードライブラリー」を作ることに。まず、地元で引き継がれている種を探すことにしました。

地元の種を探す一番の近道は、プロの農家さんではなく、家族のために野菜を作っているおじいさん・おばあさんに会うこと。なぜなら、現在ほとんどのプロの農家は自家採取をしておらず、購入した種で栽培しているからです。

徳之島では、島の方言で「アタイ」と呼ばれる自家菜園が多くの家にあります。私はこのアタイで島大根を守りつないでいるおじいさんを紹介してもらえることに。彼の家を訪ねると、家の横に「アタイ」があり、大根の葉があちこちに芽を出していました。

「この島大根の葉っぱは、お盆のときご先祖様に飲んでいただくお味噌汁に入れるんだよ。この集落の風習で、今でも楽しみにしている人がいる。そのために育てているんだ」。彼は自分のためではなく、集落に残る風習と、それを楽しみに待つ人のために、種を守り続けていたのです。

それだけではありません。彼は島にある「ビロウ」という植物を使い、昔から代々伝わる方法で笠とミノを手で編んでいました。「畑仕事を終えた帰り道に東の空を見上げて、7つ星がちょうど笠をかぶったこの角度で見えるようになったら、田植えをするんだ」。この笠は雨風をしのぐだけでなく、田植えのタイミングを教えてくれる道具でもあったのです。

種を守るということは、こうした知恵や文化を引き継ぐことでもあります。地元の気候や風土に彩られた豊かな生活は、種とともにあるのです。私は徳之島の種を探す旅で、改めてこのことに気づかされました。私たちは、豊かさについて、もう一度考えなければいけません。

2-1. ジョンさんからの一言

取材・文/坂田奈菜子
(からだにいいこと2019年4月号より)

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