社会起業家ジョン・ムーアさんの“笑顔になれる暮らしのヒント”をご紹介します。
見えているものの裏には、見えていないストーリーが隠されています。それを見ようとする意識が、未来を変えるかもしれません。
目次
1. この記事の監修:ジョン・ムーアさん
2. 意識することから見えてくるもの
2-1.ジョンさんからの一言
1.この記事の監修:ジョン・ムーアさん
社会起業家、ORGABITSアンバサダー。英国公認教師、オーガニックフード・ガーデニング教師。英国シェフィールド大学卒業後、教師を経て、電通に入社。その後、パタゴニア日本支社長などを歴任。現在は一般社団法人シーズ オブ ライフ代表理事として活動中。
2. 意識することから見えてくるもの
今夜、月を見ましたか? あなたが月を見上げた時、月もあなたを見ています。しかし、月はあなただけを見ているのではありません。あなたが知らない誰かも、月を見上げているからです。
―この話のポイントは、月を通してつながる存在を、月は見ることができるけれど、私たちは「見ようとしていない」ということ。
私たちは日々の忙しさの中で、自分のことだけに頭をめぐらせがち。今日はどんな服を着よう、ランチはあの話題のお店に行きたい、と多くの時間を、自分だけが映る鏡を見る時間に費やしています。
私たちは“1つ”の価値観の中に住んでしまっています。鏡の奥に見える本当の姿や、背景の世界を無視し、今そこに映る“1つ”のものだけを選ぶ。私たちの生活や環境から、多様性と生命力が失われている原因はここにあります。
自然の中は、個性豊かで多種多様な生き物であふれています。それぞれにしかできない役目や生き方を選択しながら、お互いがつながりあい、強い共生関係を築いています。しかし、人間社会は一人一人の多様な姿を認めるよりも、大きな社会意識の中で、物事を決め、自分の存在価値を測るようになってしまいました。
そして他者の存在や、つながりを見ることをやめてしまいました。その“1つ”の基準から外れれば、一気に弱い存在へと転落し、“1つ”のルールに当てはまらないものは排除されていくのです。これは、自然と照らし合わせれば、とても不自然で不健全な状態と言えるでしょう。
強く生きるためにはどうあるべきか。私たちは誰かの基準ではなく、多様な人生を選択すべきです。そして、もっと意識して物事をとらえることです。意識していくと、様々なつながりに気づくはずです。
その服は何から作られていますか? 今日食べたランチの野菜はどこでどんな風に作られたものですか? あなたの選択が、未来へつながっていくと感じることが大切です。トレンドや社会意識にとらわれず、未来へつながる、あなたらしい人生を歩んでください。
2-1. ジョンさんからの一言
取材・文/坂田奈菜子
(からだにいいこと2019年2月号より)