2020.12.24
その他
食の本質は「種」にあり。「本物の種」について考えてみよう

社会起業家ジョン・ムーアさんの“笑顔になれる暮らしのヒント”をご紹介します。
私たちが食べる物をたどっていくと一粒の種になります。種から見えてくる本当の食とは。

目次
1. この記事の監修:ジョン・ムーアさん
2. 「本物の種」が食べ物、そして人間をつくる
2-1.ジョンさんからの一言

1.この記事の監修:ジョン・ムーアさん

社会起業家、ORGABITSアンバサダー。英国公認教師、オーガニックフード・ガーデニング教師。英国シェフィールド大学卒業後、教師を経て、電通に入社。その後、パタゴニア日本支社長などを歴任。現在は一般社団法人シーズ オブ ライフ代表理事として活動中。

2. 「本物の種」が食べ物、そして人間をつくる

今日は何を食べましたか? ヘルシー志向の読者のみなさんは、健康的な食生活を送っていると思います。しかし、あなたの食事は「本物の食べ物」でしょうか? 私たちは何を食べているのか、もう一度考えていきましょう。

すべての食べ物は「種」から始まります。それは野菜だけでなく、たまごやお肉も。動物もエサを食べますから、元をたどれば「種」になります。しかし、同じように見える野菜や穀物でも、その「種」には大きな差があります。

種には大きく分けて、「F1種」や「遺伝子組み換え作物」のように人間が作った種と、「固定種・原種」と呼ばれる自然が作った種があります。テキサス大学が行ったリサーチで、43種類の固定種とF1種の作物の栄養を比較したところ、F1種の栄養素が大きく低下していることがわかっています。

他にも、道端に生えているタンポポの葉の方が、スーパーに並んでいるほうれん草より約8倍も栄養価が高く、品種改良されたリンゴと野生のリンゴでは、50倍近くも野生のリンゴの方が栄養価が高いという研究も報告されています。私たちは何を食べているのでしょう? 種や育ち方まで考えて食を意識しているでしょうか?

現代社会では、「オーガニック」や「おいしい」という言葉が、私たちが食を選ぶ基準になっています。しかし、日本でオーガニック食品が占める割合は全体の0.25%しかありません。しかも、この10年間ずっと横ばいのまま。おいしいと評価される「甘い野菜」には何が含まれているのでしょうか? 栄養価ではなく糖度が基準で良いのでしょうか?

私たちは身体に必要な食べ物ではなく、まるでトレンドを楽しむように食を選択しているように思います。私はいつも「ファッションオーガニック」と呼んでいますが、表面的な情報だけでは、本当の姿は見えてこないのです。もう一度、食の本質=種から、そしてそれがどのように育てられたのか調べてみましょう。あなたの身体は、すべて食べ物からできているのです。

2-1. ジョンさんからの一言

取材・文/坂田奈菜子 イラスト/ハシモトジュンコ
(からだにいいこと2018年7月号より)

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