2020.12.03
その他
未来のために種をつなぐシードセーバーになろう

社会起業家ジョン・ムーアさんの“笑顔になれる暮らしのヒント”をご紹介します。
シードセーバーとは「種を守る人」のこと。植物は見たり食べたりして楽しむだけでなく、来年のために種まで採れるように育ててあげましょう。種から種へ。未来へつながるアクションをあなたの庭から始めましょう。

目次
1. この記事の監修:ジョン・ムーアさん
2. 育てた野菜や花の種を採取して未来へつなぐ
2-1.種の保存の仕方
2-2.ジョンさんからの一言

1.この記事の監修:ジョン・ムーアさん

社会起業家、ORGABITSアンバサダー。英国公認教師、オーガニックフード・ガーデニング教師。英国シェフィールド大学卒業後、教師を経て、電通に入社。その後、パタゴニア日本支社長などを歴任。現在は一般社団法人シーズ オブ ライフ代表理事として活動中。

2. 育てた野菜や花の種を採取して未来へつなぐ

実りの秋を終え、私の庭も落ち着いてきました。しかし、仕事はまだあります。さあ、来年のために種を採りましょう。

植物の種ができるまでのストーリーは実に見事です。植物は種から芽生えると、土壌に根を張り、葉を茂らせ、栄養を蓄えます。そして花が咲くと素晴らしい香りを放ち、花は蜂や蝶とキスをして、種をつくります。すると母なる植物は徐々に枯れはじめ、種が土壌に落ちると、それをカバーするように葉を落とすのです。まるで、赤ちゃんにそっと布団をかけるように。その葉が種を守り、そして栄養となって、子どもたちの成長を助けるのです。

植物は種を落とすのに、最適なタイミングを知っています。月の満ち欠けや雨のサイクル、水分量や栄養素のバランスなど、条件が整ったとき、自分の子どもたちを放ちます。種を採るのに一番いい方法は、種が落ちるタイミングを見はからって植物の下にシートなどを敷いておき、自然に落ちるのを待つことです。人間の感覚では、まだ種が熟しきれていなかったり、乾燥していないうちに採ってしまうことも多いのですが、この方法なら、完璧な状態の種を採ることができます。

固定種や在来種の植物は、次世代の種を残すためにすべてを捧げて生きています。しかし、「F1種」(※)が増えて種を買うことが当たり前になった今、毎年様々な植物のDNAが地球から姿を消しているのが現状です。

種から種へ。小さな庭やプランターでも、種を守る「シードセーバー」になることができます。あなたの大好きな野菜や花、ハーブの種を育てましょう。その種を採ってつないでいけば、未来の子どもたちにもあなたの宝物をプレゼントすることができます。想像してみましょう。未来の子どもたちの庭に、あなたの種がまかれることを。シーズ・オブ・ライフ! 本当に種は「生命の種」なのです。

※バイオテクノロジーを駆使した交配種。一代限りなので、種は採れない。

2-1. 種の保存の仕方

(1)殻に入った種は乾燥して壊れやすいので、両手でそっと殻から取り出します。キュウリ、トマト、カボチャなど、実に包まれている種はしっかり熟すまで待ち、実から種を外します。

(2)ニンジンなど、種が小さいものは、あらかじめ袋をかぶせておき、種が弾けたら袋を外します。種はざるなどに入れ、水で軽くすすぎ洗いします。その後、ざるやふきんなどに種を広げ、天日で乾燥させます。

しっかり乾燥させたら、種を無漂白の封筒や紙に包み、種の種類と日付を記入します。

【保存場所】
種は次の種まきまで、缶など光を通さない容器に入れ、冷蔵庫で保存しましょう。種の中に、虫が卵を産んでいる場合があるので、孵化しないよう暖かい場所で保管するのは避けましょう。

2-2.ジョンさんからの一言

取材・文/坂田奈菜子
(からだにいいこと2017年12月号より)

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