2020.10.22
その他
植物の「共生社会」から見えてくるもの

社会起業家ジョン・ムーアさんの“笑顔になれる暮らしのヒント”をご紹介します。
一人では厳しい状況でも、仲間と一緒だと乗り越えられたという経験はありませんか? 厳しい自然環境に住む植物たちにも、支え合って生きる仲間がいます。今回は、自然界の交友関係からオーガニックライフを学んでいきましょう。

目次
1. この記事の監修:ジョン・ムーアさん
2. 人間社会も、自然の「共生社会」のように
2-1.オーガニック豆知識
2-2.ジョンさんからの一言

1.この記事の監修:ジョン・ムーアさん

社会起業家、ORGABITSアンバサダー。英国公認教師、オーガニックフード・ガーデニング教師。英国シェフィールド大学卒業後、教師を経て、電通に入社。その後、パタゴニア日本支社長などを歴任。現在は一般社団法人シーズ オブ ライフ代表理事として活動中。

2. 人間社会も、自然の「共生社会」のように

私が農業を始めたのは4歳の頃。当時、脚に大ケガを負ってしまった私は、祖母の元で静養することに。祖母は11人の子供を産み、その家族分の食料をオーガニックガーデンで育てていました。小さなスペースでしたが、畑にはいつも豊かな作物が実り、そこで育つ様々なハーブを使って、祖母は私の脚を手当てしてくれました。

しばらくすると、祖母はまだ歩けない私に向かって、「あと半年したら、自分の食べ物は自分でつくりなさい」と言い放ちました。それはもう、びっくりしましたが、祖母は嘘をつかない人。「畑仕事を覚えないと生きていけない!」と、祖母の農作業の様子を必死に観察しはじめたのです。

そこで気づいたことがありました。祖母が植える植物の組み合わせには、必ず一緒に植えるものと、絶対近くには植えないものがあったのです。例えば、トマトとバジルは一緒に植えるのに、トマトとジャガイモは決して一緒には植えません。

これには理由がありました。トマトとジャガイモは同じナス科の植物で、病気が発生した場合、被害が広がりやすく、またトマトの根がジャガイモの生育を阻害するため、うまく育ちにくいのです。しかし、バジルはその強い香りで害虫を防いでくれるため、トマトは元気に育ちます。このように、それぞれの特性が互いに良い影響を与え合う植物の仲間を「コンパニオンプランツ」と言います。農薬や肥料を使わなくて済むので、オーガニックの農法では、よくこの仕組みを活かして畑を作るのです。

植物にはそれぞれ、個性豊かな特徴があり、役割があります。本来自然界は、単一の植物だけでは成り立ちません。様々な植物が互いにサポートしながら生きています。自然とは、「競争社会」ではなく「共生社会」です。人間社会はどうでしょう。お互いを傷つけ合う競争社会になっていないでしょうか? もう一度、考えてみましょう。自分の個性を信じ、生かせる環境であれば、周りも自分も豊かに育つことができるのです。

2-1. オーガニック豆知識

受粉を手助けしてくれる虫たちも大切な仲間。かけがえのない存在です。

2-2.ジョンさんからの一言

取材・文/坂田奈菜子
(からだにいいこと2017年5月号より)

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