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コラム

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オーガビッツアンバサダー ジョン・ムーア インタビュー【前篇】

シャツもキャベツも人生も、私に言わせればすべて一緒のこと
ジョン・ムーア氏が語る本当のオーガニック。


「オーガビッツ(Orgabits)」は、オーガニックコットンを通して、みんなで“ちょっと(bits)”ずつ地球環境に貢献しようという想いでスタートした社会貢献プロジェクト。オーガニックコットンの普及は、綿花栽培に携わる農家の方々やその家族の未来、ひいては地球環境を守ることにつながっていく活動へと連なっていくもので、その現実を多くの人々と共有して進めていこうとしている。

そこで今回、「オーガビッツ」のアンバサダーとして同プロジェクトを応援する、「SEEDS OF LIFE」代表のジョン・ムーア氏にインタビュー。

ムーア氏は在来種の種の交換やワークショップを通して、今を生きる、わたしたちだけでなく、子孫や地球の未来を守ることに繋がるということを日々問うている。ムーア氏によれば自身の在来種の種を守る活動とオーガニックコットンの普及は同義で、だからこそアンバサダーを快諾したと言う。その真意に迫ってみた。


―「SEEDS OF LIFE」発足のきっかけ

自分の食べ物は自分で作ったほうがいいと、わたしは4歳の頃からおばあちゃんに教わって育ちました。しかも、種から作らなければいけないと。
だから、わたしの人生そのものが、「SEEDS OF LIFE」というわけです。
2013年に「SEEDS OF LIFE」の社団法人を作りましたが、それは在来種の種を守るためです。皆さん、食べ物は買うもので、種のことまで考えませんよね? 

それは食べ物ではなく、単なるモノ。

肥料や農薬を使った種で作ったモノが、体にいいわけがない。日本の伝統食である豆腐、大豆もアメリカ産の種で、味噌もアメリカの味。日本のDNAではないです。数年もすれば、オリジナルの種がなくなってしまう危険な状態です。この現実に、ちょっと気づいてほしくて活動を始めたのです。


―「SEEDS OF LIFE」の具体的な仕事

今は、高知県、大分県、広島県、兵庫県、千葉県の生産者と5種類の在来種の麦の種を蒔き終えたところです。そこで収穫した麦(種)は、商品として販売するだけでなく、それぞれの生産者がタネ銀行家のように振る舞うことによって、タネを分け合いながら、持続的に在来種を育て繋げていきます。
また、わたしたちは志を高く持つ若者たちや、企業と様々な取り組みをしています。それと日本中の小学生、親御さんたちとワークショップをして、畑を耕すこともしています。「SEEDS OF LIFE」を作って、たくさんの人たちと交流が始まっているので、この先は学校を創るとか先生を育てるとか、そういう展開を計画しています。


―オーガビッツとの取り組みのきっかけ

実は「オーガビッツ」の人達の中に、私が野菜ソムリエ協会で講師を務めた講座に学びに来た人がいます。その講座は、100%オーガニックで野菜を育てる方法を学ぶもので、プランターやペットボトルを使って農薬はもちろん、肥料も使わないで植物を自分自身で育てる体験を通して、光と土の微生物と植物のバランスがオーガニックであることを理解しました。人が何かを使って環境のバランスを変えてしまうと、それはオーガニックではないのです。

オーガニックとは、何もしないことです。人間の邪魔な考えは、必要ないです。本当のオーガニックは、大自然の中にあります。

その時彼らは、オーガニックコットンを育てる方法を考えていました。私はそのアイデアに、大いに賛同しました。



―オーガビッツ・アンバサダーとして

わたしはただ単に、意地悪を言う人ですよ(笑)。わたしは、オーガニックと言っている人に、本当のオーガニックかどうかをジャッジします。厳しくね(笑)。
そのわたしを知っていて、彼らはアンバサダーを依頼したということです。たいがいの場合は、中途半端にオーガニックと言っていることが多い中、彼らは偉いですよ。一生懸命やっている。
こういうプログラムを実践することは、大企業の中で簡単なことではない。よくやっていると思います(笑)。


―アンバサダーとしてみるオーガビッツの活動の方向性

現実として、難しい問題が多々あります。仮に本物のコットンを作ったとしましょう。その後は工場に行って、たとえば、よくわからない染料を使う。そして、あなたが着ているようなシャツになる(笑)。
もはやオーガニックではないですね。そして家に持ち帰る。人生の中で100回は、洗濯しますか? 汚れた水が出るので、土には簡単には戻せないです。どこにオーガニックがありますか? だから、育てることだけではなく、製品がゴミになる時のことまでトータルで考えないといけないこと。

シャツもキャベツの人生も、わたしに言わせれば一緒のことですね。だから、オーガニックを見つめることは、人生を見つめること。すなわち、「SEEDS OF LIFE」。人生ということです。自分の人生に関わることを、小さなことから始めましょう。



⇒後編をお楽しみに!

(取材・構成・撮影/鴇田 崇 OFFICE NIAGARA)

(取材場所:六本木農園


【PROFILE】

ジョン・ムーア
John Moore
在来種、オーガニックスペシャリスト
英国シェフィールド大学教育学部 卒業後、教師を経て、電通に入社。
コピーライターとして活躍する。その後、パタゴニア日本支社長に就任し、現在はSEEDS OF LIFE代表をつとめている
[受賞歴]
カンヌ国際広告賞、Belding、クリオ賞、電通社長賞、FCC賞、Nokia Global Enterprise2006年