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トリニティアーツ インタビュー【前篇】

数々のプロジェクトを提案する「オーガビッツ(orgabits)」。その中でもひときわ多くのプロジェクトに賛同するトリニティアーツは、2013年春、Make Smile Seeds(笑顔の種を創る)を合言葉にCSVプロジェクトをスタートさせた。今回は、そのMake Smile Seeds(以下 MSS)発足のきっかけともなった「オーガビッツ」との取り組みについて、株式会社トリニティアーツの北村嘉輝さん・倉地誠さんにオーガビッツの佐藤を交えて話を聞いた。

―「オーガビッツ」とのはじまりとMSS発足のきっかけ

北村:そもそもは商品がきっかけです。豊島さんとのモノづくりの中で「オーガビッツ」を初めて知り、まずブランドのstudio CLIP(スタディオクリップ)やniko and…(ニコアンド)で商品展開をしようということになりました。僕たちはライフスタイルを提案する中で、ただモノを売るだけではなくて、それがどういうモノで、自分たちと生活者が何に対して貢献できるかを模索していました。そんな時に佐藤さんからお話を頂き、そこからMSSとオーガビッツとの関係が始まったんです。

佐藤:「オーガビッツ」は今年で10年目ですが、発足当初、担当者からオーガニックコットンについての話を聞いても、僕自身、よく理解できなかったんです(笑)。でも実際に契約しているテキサスのラボックという町にある綿花畑に行ったところ、すごく感動しました。見渡す限りの綿花畑もそうですが、現地の方に「なんで、こんなに効率の悪いオーガニックコットンの栽培をしているのか」と質問したところ、こう話されたんですよ。

「自分にも子供がいる。今、世界中で地球の環境問題が取り沙汰されている中、自分たちも次の世代の為に良い土壌を残していきたい。当然農薬などを使っていくと土壌が汚染され、ひいては水も変わってしまう。だから儲からないし、大変だけれども続けている。」

この言葉を直接聞いて僕はとても感銘を受けまして、これは日本にも広げなくてはいけないと思いました。

当時、日本ではオーガニックコットンは認知が低く条件も厳しいため、どちらかというと敷居が高い存在でした。高級品やこだわりの商品という位置付けで広がらなかったんですよね。それを豊島が、“オーガニックコットンを少しずつ”という意味の造語で「オーガビッツ」ブランドを作り、敷居を下げたんです。

そして、栃木県で和綿を栽培している渡良瀬エコビレッジ(以下 エコビレッジ)の方にお話をうかがった際にも、やはりテキサスの方と同じことを話されていて、これはぜひトリニティアーツさんを巻き込んでいきたいと思い、半ば強引にエコビレッジの種まきにお誘いしたんです(笑)。でも快いお返事をいただき、そこからトリニティアーツさんとの新しい取り組みが始まりました。

北村:それから継続してエコビレッジへ行っていて、夏の暑い日に草むしりをおこなったりしています。僕たちも洋服を扱う企業として、分かってはいたものの、綿花は野菜などと同じで農家さんが作られているんだなと改めて認識しました。あとはガチガチのオーガニックじゃなければダメだというものではなくて、「少しずつ」というのが間口として非常に入りやすかったため続けられているのだと思います。

倉地:今では多くの社員がエコビレッジに行っていて、そこからMSSの活動が始まりました。

ちょうど2年くらい前までは、ブランドとモノを作ってくれる「オーガビッツ」と、それを仕入れる我々の関係性の中でエコビレッジにも遊びに行く感覚だったんですよね。これをちゃんとした形にしたいというのと、時を同じくしてトリニティアーツとしても震災を機に「CSV活動を始めたい」と社長の木村から話があり、僕をリーダーとして計画が始まったんです。木村もエコビレッジでの活動のことは知っていましたので、ゼロから自分たちで何かを始めるよりも、こんなに良いことをやっている人たちがそばにいるのなら、これをまずMSSの軸にしていったら良いんじゃないかと。

そこから、メンバーを決めて、まずは本社の中で40~50人で行きました。皆で種を灰にまぶしてまき、草をとり、収穫をするワンサイクルを経験しました。2年目はまだ行っていないメンバーにも声をかけて輪を広げています。3年目になる今年はお店のいわゆる店頭に立っている店長を連れていくプラン考えています。

活動はいろいろ広めているんですけれども、やっぱり実際に行って土を踏まないと伝わらないですよね。

社員がエコビレッジに行き、服の原点を知るということは、服を扱う我々にとっての貴重な経験になるのだと思います。

北村:このエコビレッジの活動は、いろいろなCSV活動につながっていて、海に行ってゴミを拾うビーチクリーンをやるきっかけになりました。あとは、エコビレッジの影響で、会社にグリーンを置こうとか、自然なものを大事にしようという気持ちが社内で浸透しましたね。前はこんなにグリーンはなかったですから、ガラッと雰囲気が変わりましたね。

実際に表面だって見えてこない部分はありますが、間違いなくこの活動は浸透していっています。実際にその活動に参加していないメンバーも活動自体は必ず知っていますし、店長会でも“綿のソムリエ”をお呼びして、「コットンとは」をレクチャーしていただいたり、綿花の中に入っている種をとる綿繰りという作業を体験したり、CSV活動がこういう良い経験に繋がっています。