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コラム

オーガビッツアンバサダー 画家 AKI インタビュー【前篇】

水が汚れたら植物が育たない。だから動物たちが生きていけない。――絵を通して警鐘を鳴らす画家AKIさんが伝えたいこと。


軽度の知的障がいを持ちながら“絵”という才能を発揮する画家にして、「オーガビッツ(orgabits)」アンバサダーのAKIさんと父・木下さんにインタビュー。
AKIさんの描く絵は常識にとらわれない自由で豊かな色彩で、見る人に夢とエネルギーを与え、また、絵の主人公となる生き物たちへの優しい眼差しは、地球上に生きとし生けるものの豊かさを教えてくれる。
※以下、父・木下さんに語って頂いております

―「オーガビッツ(Orgabits)」との出会い、最初の印象――

3年ほど前、AKIの絵をたまたま見たオーガビッツの担当の方が、インドネシアに送るバスにペイントしたいということで、それが初めての出会いです。そのプロジェクトは諸事情あって実現しませんでしたが、絵画とか生地ではなく、ペイントが最初のコラボレーションの出発点でした。

最初の印象は――お恥ずかしい。本音を言うと、勘違いをしていましたね(笑)。オーガニックコットンの生地の服を着ると肌荒れをしないとかくらいのイメージしかなくて、環境のことを考えているとは思っていなかった。僕たちは、そういうことに疎かったものでね。ただ、AKIがもともと動物の絶滅危惧種に強い関心を持っていて、動物全般が危機に瀕している状態にあることや、環境が侵されて絶滅している動物がいることなどを随分前から憂いていた。

僕たちが「福祉作業所ライフステージ」を創めた時以来のテーマと合致するので、志が似ている人たちがいるねって。

そういう出会いと、印象でしたね。


―この出会いは、自分たちの活動を見つめ直す機会にも?

そうですね。オーガニックコットンで生地を作ることがどういう役割を担っていて、それを少しでも知っていただこうという想いと、AKIが動物たちの住みかがなくなって狭まっていく状態をなくしたいという想いは、無関係なことじゃないわけです。

水が汚れたら植物が育たないし、動物たちが生きて行けない。汚染されている植物を食べると、動物たちが絶滅してしまう。そういうことにAKIは胸を痛めています。だから、こういう絵をかいて、マニアックな動物まで紹介している。

わたしなんかはもともと東京モンなので、それほど環境に関心がなかったというか、東京で一番空気が悪い場所で育った。だから、汚い状態が当たり前だった。蛇口をひねれば赤い水が出てきたような時代の人間なんでね。でも、そのまま放置していては、いけない。


―確かに、見たことがない動物がけっこう登場しますよね

ゾウとかキリンとかサイとか、そういう動物は皆さんも絶滅危惧種だって知っていると思いますが、ハイチソレノドン、ご存じですか? これ本当にいるんですよ(笑)。恐竜じゃないですよ。ハイチにいるんです。ペッカリーとかも本当にいる生きもので、皆さんが知っている動物以外にも動物はいて、絶滅危惧種であることを知ってもらいたい。世界で10匹しかいない生きものが、どれだけ大切で、それが動物園でも育ってないという現実。自然破壊で、だんだんと住む場所がなくなっているし、狭まっている。そういうことを一人でも多くの人に知ってもらいたい。

オーガニックコットンも同じで、動物と自然と生きものが、人間との共存ができるようにという願いから、ですよね。一緒に何かできればいいなと思いました。

―志が同じだった――

いや、偉そうなことを言うつもりはないですが、AKIは障がい者で、そういう子でさえ心を痛め、感じていることを知ってもらうことは大事なことだと思っています。わたしは、いい人間では決してないですが(笑)、そういうことは大切にしています。

―具体的なコラボレーションについて

それこそ今着ている、Tシャツですね。オーガビッツさんとの取り組みの中で、いろいろなブランドさんに共感を持っていただいています。そして、ご購入されるお客さまも楽しいとか、ちょっといいと感じていただいていて、そういう風につながっていければいいと思います。安い高いだけでなく、そこに意味があるプロジェクトがいいじゃないですか。

買った方が楽しめて、笑顔になってくれれば一番うれしい。

年間、今日のような個展を銀座で5~6回、京都など全国でも開催していますが、洋服もそのひとつ。買った方が「ありがとう」と言って笑顔になるような関係を増やしていきたいですね。


(取材・構成・撮影/鴇田 崇 OFFICE NIAGARA)

⇒後編はこちら!

【PROFILE】

AKI

スペイン国立「バルセロナ海洋博物館」にて「マザーフォレスト」を発表、「金賞」「日本スペイン交流親善名誉作家」受賞、日本・ギリシャ修好110周年記念展覧会にて「歴史」を発表、「特別審査委員賞」受賞。2010年、若干23歳にして、知的障がい者の大学ゲスト講師として日本で初めて教壇(武蔵野美術大学)にたつ。

近年では、NHKハートプロジェクト第18回ハート展作画者として選出されたほか、京都佛光寺派大善院にて、唐紙師とのコラボレーション作品「唐紙四曲屏風・涅槃図」(京都ホテルオークラにて公開)を発表。また、ヨーロッパ、アメリカにてデザインテキスタイルの「AKI デザインファブリック」並びにそのデザインの元となる原画を発表、2014年春、ホテルオークラ(東京)にて「しあわせ」公開、「アシストスマホ」(ソフトバンク株式会社販売)に作品採用。国内外の多くの評論家より「観る人を試す」、「絶妙な色彩センス(AKI色)」など、数多くの称賛を受けている。