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コラム

オーガビッツ 和綿プロジェクト

畑で穫れた和綿を糸にする。その糸が布になる。
ここまで来るのに、いろんなコトがありました。


オーガビッツ :和綿は毛足が短くてポソポソしているから、普通の機械ではいい糸にならないんですね。何か方法はないかと調べてみると、綿を梳いた後に出る落ち綿から糸を作る“ガラ紡績機”に入れると、相性が非常に良くて味わいのある糸ができることが判ったんです。探せばいるもので、“ガラ紡績機”を保存しようとして地道に活動している人がいて。その出会いも大きくて、それがないと和綿の商品化はできなかった気がします。

町田武士 :昔の仕事着の前掛けとか、足袋の裏なんかに使っていた糸は“ガラ紡績機”で紡いだものでしたねぇ。


オーガビッツ :しかも“ガラ紡績機”で作った和綿の糸を織る織機がなくて、これも探しまわったんです。そうしたら、愛知県にあったんですよ。昭和初期の“力(リキ)織機”が残っている老舗の機屋(はたや)さんが!
そこの社長さんがこのプロジェクトに感じ入ってくださって、和綿の糸を織るために貴重な“力(リキ)織機”を改造してくれたんですよ。



一同 :おぉーっ、そうだったんですか!


オーガビッツ :皆でやろう!って始めたことがひとつひとつ『糸にできるぜ!』 『織物にできるぜ!』って解決していったんです。糸ができました。織りもどうやら成功しました。そこで試作品をお渡しして、真っ白な状態でお見せしました。生成りですね。「さて、これをどうしましょう」って話をポータークラシックさんとしました。

————それを見たときの印象は?


吉田玲雄 :‥‥まさに子供ですね。「生まれたよ」って(微笑)。


町田武士 :本当にそういう感じがしますよね。綿から糸になって布になったらね、不思議ですもの。


————普通のコットンとの違いはありましたか?

吉田晃務 :まず“ガラ紡績機”っていう機械自体が圧倒的に違うので、できあがった糸の太さは不均等だけれどおおらかな印象ですね。だから普通の織物とはタッチから何から違ってくるんですよ。洗ってみたらもっと気持ち良くなっちゃうし。


吉田玲雄 :出来上がったままのものと、ずっと使っているものだと全然ちがうんです。何でこんなにいいんだろうっていうくらい、使っていて気持ちいいですよ。
それがこの和綿の魅力ですね。お店にも2011年発売の藍染の和綿ストールを半年くらい使ったのを展示してあります。


町田武士 :たぶん“ガラ紡績機”でも、綿を梳いた後に出る落ち綿を使うとそうならないんですよね。和綿は綿にチカラがあるんです。日本は湿気が多くて夏は暑く冬は寒いじゃないですか。そういう風土に培われた機能性もあるし、日本人に馴染むものがあると思うんです。だから私は米綿(アメリカ種)を見るとサイズも大きくてちょっと違和感があって。和綿には、米綿にない繊細な感じがありますよね。

オーガビッツ :この和綿ストールは効率を追いかけていないからすごく贅沢な作りになっています。織ることで糸が傷んでいないから、とても丈夫です。現代の製品は効率よく沢山の織物を作ろうとするから、つっぱっていて余裕がありません。綾織りにしたときの糸の斜めの線が出ないとか、平織りにしたときにも糸の凹凸が見えないとか、仕上がりがまるで紙のような生地になるんですね。この和綿ストールには過剰なテンションがかかっていないから、表情の豊かな織物になりました。それで使い続けることで、その人なりのテイストが出やすくなるんです。