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コラム

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未来につなげる、人をつなぐ。桜に託すそれぞれの思い。 第2回さくら並木プロジェクト×オーガビッツ植樹会レポート

今年も、春が来て桜の下集う。
めぐる春が、共に見上げる人々の思いを未来へつないでいくーー。

2011年11月にスタートした、NPO法人さくら並木ネットワークによる桜の植樹活動は、今年で5年目。東日本大震災の犠牲者の魂を慰めるとともに、「世代を超え、津波を代々語り継ぎ、いのちを守りたい」「逃げるべき場所をわかりやすい形で伝承したい」と植えられた桜は、今年で約4,000本を数えます。

オーガビッツでは、2012年よりさくら並木プロジェクトの支援を開始。このプロジェクトに賛同いただいた各ファッションブランドより「さくら並木プロジェクト」を支援する商品を発売し、商品1枚につき10円を「NPO法人さくら並木ネットワーク」に寄付してきました。さらに被災地と支援者のつながりを深める植樹会を、昨年から開催しています。

大戸浜の絆を深める桜植樹会

2016年3月26日、春の気配を感じる陽射しの中、第2回となるさくら並木プロジェクト×オーガビッツ植樹会が、福島県相馬郡新地町大戸浜地区で開催されました。

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桜を植樹するのは、大戸浜地区を見下ろす高台。高台移転した防集団地の一角にあり、植樹する桜には、「残った住民と移転を余儀なくされこの地に移り住んだ住民をつなぐ絆となるように」との願いが込められ、石碑には、地域のみなさんで考えた「大戸浜の絆深める復興ざくら」の文字が刻まれました。

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活動を始めた当初、犠牲者への慰霊の意味で植えられることが多かった桜の植樹。いまでは少しずつ、今回のような復興や新しい街づくりへの願いを託される機会も出てきたのだそう。

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植樹会には、13ブランド・約50名と、さくら並木ネットワークが呼びかけて集まった地元の方と県外のボランティアさん30名の方々が参加。さくら並木ネットワーク東北エリアマネージャー・吉武信幸さんの指示の下、地元の方々と共に20本の桜を植樹を開始。植樹した桜は、江戸彼岸桜をはじめ、紅しだれ桜、天の川桜、アーコレードの4種類。津波を後世に語り継ぐため、桜の中でも寿命の長い品種が選ばれています。

以前、空き地だったという土地には、根が残っており、掘るのは結構大変。みなさん力を合わせて作業を進めました。

桜を通じて被災者と支援者がつながる交流会

無事、植樹を終えた後は、場所をコミュニティーセンターに移しての交流会。この日のために集まってくださった地元の方々と共に、餅つきを楽しみ、つきたてのお餅をいただきます。

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子どもたちが元気に走り回るにぎやかな雰囲気の中、地元のお酒もいただきながら、震災時の話、大戸浜地区のこれからなど、たくさんのお話を伺うことができました。

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植樹会は、被災された方と支援者が桜を通してつながっているのだと実感する貴重な機会。参加者のみなさんも、それぞれに感じることがあったようです。

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「東北が好きで、なにか力になりたいと、昨年からこのプロジェクトに参加しました。地元のみなさんと一緒に桜を植え、交流が持てて楽しかった。これからもさまざまなかたちで、大好きな東北の支援を続けていきたいですね。」(株式会社ジュン 取締役執行役員/渡辺明利さん)

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「被災地が気にかかっていても、なかなか来ることができずにいたところ、植樹会は、とても良い機会でした。今回2回目の参加ですが、昨年参加した際は、私たちの寄付が桜の苗木になり、地域のみなさんと共に植えるという実体験を、社内にフィードバックできました。その結果、今年は、自ら植樹会に参加したいと名乗り出てくれた社員もいます。今年の経験、伺ったお話もフィードバックし、来年へとつなげ、より幅広い活動にしていけたらと思います。」(株式会社コックス 広報グループマネージャー/新海桃子さん)

一過性ではないつながりを

地域のみなさんにお別れを告げ、最後に共同墓地へと立ち寄りました。

眼下には、今は穏やかな海と、何もなくなってしまった町。震災時の津波で、25名が亡くなり、未だ3名が行方不明。墓石の上まで軽トラックが流され、近くの集会所は全壊したと聞きました。

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全員で黙とうを捧げた後、その光景を背に、大戸浜地区区長の濱野重雄さんが思いを話してくださいました。

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「いま、みなさんが見下ろす一帯には、かつて家が立ち並び、たくさんの人が住んでいました。先ほど桜を植樹した高台に移転した住民は、かつてここに住んでいて、身内を亡くした者もたくさんいます。植樹会の最後にここへお連れしたのは、このことを知ってほしかったから。どうか、一過性のお付き合いではなく、桜の手入れをしに、顔を見せてもらえればありがたい。大戸浜地区を第二の故郷と思い、5年10年とお付き合いをしてほしいと思っています。」(濱野さん)

これからも、つながり続けてほしいという濱野さんはじめ、大戸浜地区の方々の思いに触れ、参加者からは、大戸浜地区をより知ろうと、さまざまな質問が挙がりました。今日の体験を忘れないように。未来へつなげるように……。

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桜の成長に未来を思う

帰り道、宮城県仙台市若林区にある2年前の植樹地を視察。この視察を楽しみにしてくださっていた参加者も多かったようです。

2年前は、オーガビッツが代表して植樹をしたため、参加ブランドのみなさんは写真でしか当時の桜を知りません。大きく枝を広げ、蕾をつけた桜を実際に見て、みなさんとても嬉しそうでした。


「これまで既に4,000本もの桜を植樹していることに驚きました。震災や津波について、東京にいるとどうしても風化していってしまう。でもこうして被災地の方と触れ合ったり、桜の成長を見ると活動に参加している実感が湧きます。今回植えたものやこれまでの桜の成長を、また見に来たいと思います。手入れもしていけたらよいですね。」(株式会社アダストリア ベイフロー事業部 VMD統括マネジャー/倉地誠さん)

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今後、さくら並木ネットワークの活動は、19,000本の植樹を目指すとともに、これまでに植樹された桜のメンテナンスも並行して行われていきます。

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「桜は、小さいときに手をかけると大きく育ってくれます。特に最初の1、2年は枯れやすく、草刈りや水やり、シカから守る柵の設置などのメンテナンスが必要です。実際、植樹したもののうち5%ほどが枯れてしまい、その場合は、植え替えをさせていただきました。たくさんの人々の思いが詰まった大切な桜を、未来へつなげていくためにメンテナンスも大切な作業だということを、広く知っていただけたら嬉しいですね。」(さくら並木ネットワーク 東北エリアマネージャー/吉武信幸さん)

オーガビッツではこれからも、植樹地に「戻ってくる」企画を考えていきたいと話すのは、オーガビッツを運営する中村と福田。

「これからは、被災地と支援者だけでなく、さくら並木プロジェクトに賛同してくださる、共通の思いを持ったブランドさんどうしの交流が生まれたらよいですね。」(福田)
「植樹だけでなく、草むしりなどの手入れも植樹地のみなさんとご一緒したいですね。あとは、やっぱり、みんなで花見、したいですね!」(中村)

さくら並木ネットワークの「ネットワーク」は、【未来へつなげる】のほかに、【人やさまざまなつながりを生む】という意味もあるのだそう。その意味のとおり、これからもつながっていきたい、という思いが交差した植樹会でした。

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さくら並木ネットワークについてもっと詳しく……
→http://sakuranamiki.jpn.org/


写真でもっと詳しく……フォトレポートはコチラから!
→http://www.fragmentsmag.com/2016/04/orgabits-sakura-report-2016/

(取材・構成・文/渡部えみ | 写真/ Takuma Itoi